バスカタログ
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 19STEEZ CT SVの登場は衝撃的だった。既存STEEZファミリーとは明らかに異なるフル新型のコンパクトボディに加え、当時の最小口径となるφ30mm径のSVスプールを搭載。よりソフトなパーミングを可能にして軽快な操作性を可能にしたばかりか、立ち上がりが軽く早い高回転を実現するスプールは重量級ルアーは無論、超軽量まで遠近自在の飛距離を実現。もはやベイトフィネスと呼ぶカテゴリーは、CT SVの名の下に収束した感もあったのは事実だ。 しかし、DAIWAはそこでベイトフィネス機の進化を止めることはなかった。むしろCT SVはさらなる加速への序章に過ぎなかったことが今明らかになる。 それが“STEEZ AIR TW”という傑物。偉大なるDAIWAベイトフィネス機の系譜、レッドゾーンを振り切るエンジン回転数を象徴したカラーリングを継承。フレームには超軽量かつ高剛性を誇る金属素材・マグネシウムを採用して、厳しいDAIWA強度基準を軽々とクリアした自重は実に135g。レーシングスペックの極みがそこに。ベイトフィネス新時代の扉が、いざ開かれようとしている。「2gが、いや極端な話をすれば1gでもキャストに何ら問題はない」 関東・霞ヶ浦の名手、赤羽修弥はシビアな現代フィールドを打開する新たな武器として、AIR TWに大いなる期待を寄せる。 その根幹を担うのは、DAIWA史上、いや世界史上でも最小口径をマークするφ28mmAIRスプール。素材は強度を維持しながら圧倒的な軽量感となる信頼のG1ジュラルミン素材。その圧倒的な低慣性は、大開口部を備えたTWSとのシナジーでアクセルを踏み込ませ、スムーズなライン放出を約束する。 赤羽が刮目するのは、より小型軽量なルアーを自在に扱えるばかりではなく、「よりロングアプローチとソフトな着水」が可能となること。タフを極める現場でもう1尾を逃さず仕留める強力な武器となることに異論の余地はない。「もはや8lb.ラインの出番は少ない。今後は5〜6lb.が主力となっていく。もはやスピニングの領域」 名機T3AIRの使い手として、全国トレイルで数々の見せ場を作ってきたJBトップ50コンペティター・川口直人。AIR TWへとコンバートした瞬間、ベイトフィネス機のライン基準値となる8lb.はもはやオーバースペックであることを感じたという。 食いつきのない滑らかな滑り出しの独自ドラグ機構・UTDの搭載は、もはやクラッチOFFでの指ドラグを要さない。ライン強度で安全マージンを稼ぎスプール自重を増すのであれば、より繊細なラインを適正に巻くことでさらなる釣りの精度を高めるべき。そこが川口の本音だ。 極限マシンの突き抜けた性能に追い付くには、セッティングの妙も欠かせない。ボディのコンパクト化で回転の中心軸により近付いた安定した巻きは、小型軽量のハイグリップⅠ型フィネスノブが軽快さをサポート。ポテンシャルを最大限に活かすドライビングスキルも磨かれていく。「真のフィネスはベイトリールでこそ完遂できる。新たな釣り、PEベイトフィネスの可能性を感じる」 川口と同じく、国内最高峰シリーズを舞台に戦う新星・藤田京弥。DAIWAリールとのタッグは今季で2年目と日は浅いが、颯爽と日本一のタイトルを勝ち獲ったことは、早くもその手に馴染んだ何よりの証拠となる。 藤田が得意とする釣りのひとつがサイトフィッシング。従来は繊細なSTEEZの進化は止まることがないよね。並木 敏成10ベイトフィネスの限界を突破。突き抜ける競技仕様=AIR。STEEZ

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